違反公序良俗。 公序良俗(こうじょりょうぞく)とは

公序良俗違反とその具体例

違反公序良俗

概説 [ ] 近代の私法はを採用しており、私人の生活においてはその自由が尊重される。 具体的には、法律行為はその当事者の意図した通りの効果が認められるが挙げられる。 しかしながら、法律行為の自由を無制限に認めると、財産的秩序や倫理的秩序などが害されるおそれがあるため公序良俗違反として法律行為を無効とする。 日本法における公序良俗 [ ] 意義 [ ] は「公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。 」としている。 公の秩序は国家および社会の一般的利益を、善良の風俗は社会の一般的倫理をそれぞれ意味する。 しかし両者は一体的に扱われるべきであり、両者を厳密に区別する実益はないとされている。 裁判にあたっても、公序に反するか良俗に反するか、そのいずれであるかを決定する必要はない。 なお、民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)による改正前の民法90条は「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。 」という条文だった。 しかし、公序良俗に反するか否かを判断するときは、法律行為の内容に限らず、法律行為のプロセスも考慮に入れる必要があるとの運用がなされてきたことが反映され、「事項を目的とする」の文言が削られた。 類型 [ ] 90条のような解釈の余地の大きい漠然とした要件を持った規定は、非常に柔軟で妥当な解決を可能にするが、他方、要件が抽象的になればなるほど、その適用の際に裁判官の主観的な判断によって結論が左右される危険性が大きくなる。 しかし90条に関しては、今日では判例の蓄積により公序良俗の内容も相当に固まってきている。 犯罪にかかわる行為 を犯す対価として金を与える契約、犯罪をしないことの対価として金を与える契約などは私法上も無効である。 取締規定に反する行為 特定の取引を禁止する取締規定違反についても、取締規定を効力規定と解するのではなく、90条の問題とされることが多い。 それにより、違反が軽微であるかどうか、当事者は違法であることを認識していたか、取引の安全は害されるか、取締規定の目的は達せられるか、などの具体的事情を考慮して判断する。 例として、で禁止されているの混入したを販売した事案(最判昭和39年1月23日)、・に違反してアメリカ・ポロ社のメンズウェアの類似商品を販売した事案(最判平成13年6月11日)では、違法行為をあえて行ったという当事者の主観的要素を考慮して無効とした。 人倫に反する行為 秩序・性道徳に反する契約は無効とされる。 たとえば、契約はその典型である。 射幸行為 実際に問題となるのはにまつわる金銭の貸借である。 賭け金の支払を請求することなどはもちろん認められないが、賭博をするための資金を貸す場合のみならず、賭博後の資金を貸すことも、賭博をなすことを容易にするから、公序良俗に反するとした(大判昭和13年3月30日)。 自由を極度に制限する行為 「前借金無効判決」(最判昭和30年10月7日)では、16歳にも達しない少女が酌婦として稼働する旨の契約(契約)、およびこれに伴う金銭契約・契約について、契約全体を無効とし、金銭の消費貸借についてもを適用して、返還請求も認めないとした。 暴利行為または不公正な取引行為 他人の無思慮・窮迫に乗じて不当な利益を得る行為(暴利行為)は無効とされる。 例えば過大な利息をとる行為である。 その後、取引の類型が多様化し、とりわけ、保護の目的で、不当な内容ないし取引態様の契約(不公正な取引行為)を無効とする事例が増えている。 いわゆる・などはその例で、契約内容のみならず、契約締結に至る勧誘行為まで含めて、全体として公序良俗に反するという評価がなされる。 個人の尊厳・などの基本権に反するもの 個人の平等に対する権利を侵害する公序良俗の事例として、企業の制における男女差別が無効とされたものがある(最判昭和56年3月24日、いわゆる)。 この事例では、憲法14条の問題でもあるが、直接には民法90条により無効としている。 このように、憲法上の権利保障が、民法90条を媒介として私法上も効力を発揮する事例が見られる。 動機の違法 契約内容ではなく契約の動機にのみ違法性が存在している場合に、契約の効力に影響するかという問題がある。 特に、一方当事者にのみ違法な動機があるとき、相手方の取引の安全の保護が問題となる。 例えば、の目的でを買う契約をした場合、売買契約は有効かという問題である。 英米法におけるパブリック・ポリシー [ ] 公序良俗は英米法ではパブリック・ポリシーの原則(public policyまたはpolicy of the law)がこれに相当する。 パブリック・ポリシーとは、何人も公共の利益やに反するような他者に危害を与えうる行為を行うことは認められず無効とするという法原理である。 英米法の法原理ではこれに反する契約や私的取引等の行為(againsts public policy)は無効とされる。 関連項目 [ ] に関連の辞書項目があります。

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公序良俗違反

違反公序良俗

例)妾になる契約 例)100万円あげるから、人を殺してと頼むこと まず、妾(愛人)になるという契約のお話です。 小説の中ではあり得そうですが、実際にお金持ちのおじさんがお金を盾にして若い女性に愛人契約を迫ったら、道徳的に問題となります。 また、お金をもらって人を殺害するというのも、映画などではよくある設定かもしれませんが、実際に起きたら大問題です。 お金を払って人を殺してもらうことが許されるということは、自分もいつか殺されるかもしれないということに繋がるからです。 このように、社会通念上許されない内容をもつ法律行為を、公序良俗に反する法律行為といい、当然に無効となります。 何も知らない(善意の)第三者にも無効を主張することができます。 公序良俗に関する判例 昭和60 オ 356 賃金請求本訴、不当利得金請求反訴 昭和61年11月20日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所 金沢支部 判示事項: クラブのホステスが顧客の飲食代金債務についてした保証契約が公序良俗に反するものとはいえないとされた事例 裁判要旨: クラブのホステスが顧客の当該クラブに対する飲食代金債務についてした保証契約は、ホステスにおいて自己独自の客としての当該顧客との関係の維持継続を図ることによりクラブから支給される報酬以外の特別の利益を得ることを目的として任意に締結したと認められるなど原判示のような事情がある場合には、公序良俗に反するものとはいえない。 わかりやすく要約すると: 凛さんが働いているクラブでは、指名してくれるお客さんのツケはホステスが肩代わりするというお店のルールがあります。 凛さんは、ツケでいいからと言い、お客さんの村瀬さんをよくお店に呼んでいました。 村瀬さんは度々プレゼントをくれ、次第に2人はホステスと客以上の関係になっていきました。 そんな中、村瀬さんのツケが溜まってしまい、困った凛さんはお店を相手に裁判を起こしました。 ホステスに客のツケを払わせるなんておかしいのではないかという内容です。 しかし、無理強いされてツケを肩代わりされられたのではないこと・お客さんと良い仲になっていたことから、この裁判は棄却されました。 ただし、この事案においては考慮すべき事実があったので、棄却されましたが、ツケを払わせることがすべて認められるのではないことに注意しましょう。 昭和61 オ 946 遺言無効確認等 昭和61年11月20日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 判示事項: 不倫な関係にある女性に対する包括遺贈が公序良俗に反しないとされた事例 裁判要旨: 妻子のある男性がいわば半同棲の関係にある女性に対し遺産の三分の一を包括遺贈した場合であつても、右遺贈が、妻との婚姻の実体をある程度失つた状態のもとで右の関係が約六年間継続したのちに、不倫な関係の維持継続を目的とせず、専ら同女の生活を保全するためにされたものであり、当該遺言において相続人である妻子も遺産の各三分の一を取得するものとされていて、右遺贈により相続人の生活の基盤が脅かされるものとはいえないなど判示の事情があるときは、右遺贈は公序良俗に反するものとはいえない。 わかりやすく要約すると: 原田さんはひろ子さんという女性と不倫をしていました。 この関係はすでに6年も続いているもので、しかも、週の半分をひろ子さんの家で過ごしていて、原田さんの妻子は黙認していました。 夫婦仲は冷え切っており、また、ひろ子さんは経済的に原田さんから支援を受けていました。 そんな中、原田さんが突然亡くなってしまいました。 亡くなった後、ひろ子さんは生前原田さんが自分のために書いてくれた遺言を持って、妻子の元を訪れました。 これを知った妻はカンカンに怒り、両者引かず、裁判に持ち込まれました。 結果は、ひろ子さんの勝訴。 原田さんはひろ子さんに捨てられないようにと財産を残そうとしたのではなく、ひろ子さんの今後の生活を心配してのことだったことと、夫婦生活が実質的に破綻していたこと、ひろ子さんに財産を分けても妻子が暮らしていけることからこのような結果となりました。 不倫は法律違反なのに、不倫相手が財産をもらえるなんて、法律は複雑ですね。 民法第90条・公序良俗 民法第90条・公序良俗 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。 上記を分かりやすく言い換えると、道徳に反するような法律は効力を持たないという内容です。 上で書いた「 公序良俗とは」の横断歩道の例のように、おかしな法律を取り締まって、法律の正当性・妥当性を守ろうという趣旨のものです。 公序良俗に関するよくある質問.

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公序良俗違反とその具体例

違反公序良俗

流山法律事務所の弁護士の川越伸裕です。 弁護士とはいえ、すべての法律の条文を暗記しているわけではありません。 ほとんどの弁護士は、何という名前の法律の、大体この辺りに条文があったなぁ、という程度に漠然と記憶しておき、相談があったときには、六法全書を参照する、という程度の記憶であろうと思います。 とはいえ、有名な条文は、きちんと暗記していることが多いです。 今日は、そのような有名な条文の中から、「公序良俗」の条文をご紹介します。 この条文は、民法90条に「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。 」と規定されているものです。 弁護士に民法90条は何を規定していますか、と聞けば、公序良俗、ときちんと答えてくれるはずです。 さて、公序良俗とは、「公の秩序又は善良の風俗」の略ですが、簡単にいえば、一般的な倫理ということができるでしょう。 上記の公序良俗の条文は、倫理に反することをしたら、その行為は無効だぞ、ということを述べているのです。 どのような行為が「公序良俗」に反するものになるかは、それぞれの行為を具体的に検討する必要があります。 時代によっても変わり得る概念といえるでしょう。 公序良俗の規定自体は、明治29年の制定ですので、そのときに想定された「公序良俗」と現代の「公序良俗」とは、おのずから違うものであると思います。 とはいえ、公序良俗に反するか否かを考えるに当たって、まったく基準がないわけでもありません。 裁判では、ホステスに客の飲み代のツケを保証させるシステムを公序良俗違反としたものもあります。 また、不倫相手に「妻と別れて、君と結婚するよ」と約束したといっても、それは公序良俗に反しますので、その約束を履行しないことを理由とした慰謝料の請求はできないこととなります。 裁判では、裏口入学をさせるとの契約が、公序良俗違反とされたことがあるようです。 雇用契約を締結するにあたって、男女を差別するような雇用契約とすることは、人権を侵害するものとして、公序良俗違反となるでしょう。 投稿者: 流山法律事務所.

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