善 次 くん お 借り し ます。 #嘔吐 #炭善 善逸くんが吐く話

#2 3年E組!善逸くん! 2時間目

善 次 くん お 借り し ます

暗殺教室の世界に転生した善逸くんが、なんやかんや頑張る話です!今回はカルマくんのお話です!兄弟子も結構出ます! 捏造、ネタバレ過多なのでご注意ください! 誤字脱字あったらごめんなさい。 直します。 前作: 次の話: 前作までの閲覧、ブクマ、コメント、フォロー、タグ付けまで本当にありがとうございました! めっちゃびっくりしてしばらく震えて吐きそうになってました。 まさかあんなに読んでいただけるとは思ってもみなかったので、感謝しかないです…! 期待に添えられたどうかは分かりませんが、読んでいただけたらとても嬉しいです。 ごめんなさい…。 ・転生パロで、記憶があるのは善逸のみです。 ・今のところ鬼滅側からは善逸と兄弟子と爺ちゃんしか出ません。 ・暗殺教室は原作6巻までとアニメと、他の二次創作などの知識しかありません。 ・鬼滅の刃は単行本未収録のネタバレがあります。 ・無惨を倒した後、捏造しまくってます。 ・兄弟子と善逸くんは仲が良いです。 上記のことを了承していただけた方のみ、先にお進みください。 [newpage] ーージリリリリリリリリ!!!!! 目覚ましの鳴る音が聞こえる。 でも、俺はまだまだ寝れる気がするんだ。 だから俺は目覚ましを止めて、もう一度寝る体勢に入ろうとしたーー 「ーーおいカスッ!! 今日の朝飯お前が当番だろうが!!」 「いたっ! 痛いって! なにも蹴らなくていいじゃん!」 バァン! と勢いよくドアを開いて部屋に入ってきた兄貴は、布団を容赦なく剥ぎ取り、怒鳴りながら蹴ってくる。 堪らず起きて顔を上げてしまうと、そこには道端に広がっているゴミを見るような蔑みの目があった。 「な、なんでそんなガチギレしてるの?」 「テメェがいつまで経っても一人で起きねぇからだろうが! お前を起こさないと俺もジジイになんか言われんだよ!」 「えー……。 もー分かったよ。 起きればいいんでしょー起きればー」 「なんでそんな偉そうなんだよ……」 兄貴はそう吐き捨て、舌打ちをしたあと部屋を出ていった。 桃の木の手入れをしに行ったのだろう。 普段朝は、俺は庭に生えている桃の木の手入れを、兄貴は朝食と、あとお弁当を作るのが仕事だ。 でも爺ちゃんが獪岳ばかりがいつも早起きしなきゃいけないのは不公平だと言って、週に2回は俺が朝食と弁当を作ることになっている。 ちなみに夕食はほとんど俺が作っているから抗議したが、意味無かった。 桃の木は前世のときよりも生えてはいないし、早朝から散歩に出た爺ちゃんも帰ってきたら手伝ってくれる。 だから朝は比較的のんびりできるはずなのだが、兄貴はのんびりなんてしなかった。 桃の木の手入れを素早く終わらせ、朝から勉強したり、走りに出たりしている。 前世から分かっていたが、やはり努力家だ。 高校でもモテているらしいので大変妬ましい。 顔を洗って台所に行くと、兄貴が庭で桃の木の摘蕾をしたり、害虫がいないか、病気になっていないかなどを確かめていた。 タオルを持ってるし、今日はそのまま走りに行くのだろう。 そんなことを思いながら、俺はお弁当作りに勤しむ。 朝食は余ったお弁当のおかずや、昨日の夕食の残りにする代わりに、お弁当は凝ったものを作る。 最近は家事ができる男の人がモテるらしいからね。 クラスでもさり気なく見せびらかして女子に、我妻くんのお弁当すごーい! 一口ちょーだい! みたいなのを狙っているが、誰一人俺が作った弁当に触れてくれないから悲しい。 女子力ある弁当なのに。 何でなんだろ? やっぱり顔なのか……? そんなこんなで、ちょっとキャラ弁っぽい可愛い弁当ふたつと、普通に詰めた弁当がひとつできて満足していると、爺ちゃんと兄貴が家に帰ってきた。 「お前またそれかよ……」 「別に俺の勝手でしょ! いいじゃん、兄貴のは普通の弁当だし」 兄貴が俺の弁当を見るなりいちゃもんをつけてくる。 以前、兄貴の弁当をこっそりピカ〇ュウにしてやったらしこたま殴られた。 本気で怒ってたから、それ以来兄貴の弁当は普通に詰めてやってるのに……。 「善逸、今日のも気合いが入っておるな。 良く出来ている」 「えへへ、ありがと爺ちゃん」 流石爺ちゃんだ。 兄貴と違ってちゃんと褒めてくれる。 朝食の配膳も終わり、みんなでいただきますをして食べる。 「善逸、学校は楽しいか?」 「うん、結構楽しいよー。 なんで山の上まで行かなきゃならんのとは思うけど、クラスのみんな優しいし」 「そうか……」 それならいい、と言う爺ちゃんから俺を心配する音が聞こえる。 爺ちゃんは成績のことはあまり気にしてないけど、E組の環境の悪さを心配しているのだろう。 それに、今まで友達らしい友達もできなかったしね。 今も別にいる訳じゃないけどさ。 爺ちゃんや兄貴に話しかけながら朝食を食べ終わり、兄貴と学校に行く準備をする。 兄貴は椚ヶ丘中学のA組から内部進学していて、椚ヶ丘高校の2年生なのだ。 だから途中まで一緒に登校できる。 「じゃあ爺ちゃん、今日は炊き込みご飯だから楽しみにしててね! いってきまーす!」 「……いってきます」 兄貴はちょっと遅れた反抗期が来ているが、ちゃんと挨拶をしている。 そんなところを微笑ましく見守りながら一緒に学校へ向かう。 くだらないことを言い合ったりして電車に乗り、学校まで歩く。 「じゃあね、兄貴。 今日野球部の助っ人するんでしょ? 頑張ってね」 「ああ、米多めに炊いとけよ」 「はいはい」 手を振りながら兄貴と別れてのんびり歩く。 やっぱり兄貴はすごい。 成績優秀、運動神経も抜群で、色んな部活に助っ人として出ている。 「ってやばッ! もう時間ないじゃん!」 ちょっとのんびりしすぎた。 走っても間に合うか微妙だし、たまには呼吸もちゃんと使おうかな……。 今世じゃ体ができていないから霹靂一閃もまだ劣化したものしか使えないが、全集中の呼吸自体は使える。 それもかなり疲れるから使いたくないけど、殺せんせーも殺すためにもそろそろちゃんと練習した方がいいかもしれない。 そう思いながら、俺は深呼吸をし、全身に酸素を巡らせて3年E組の校舎へと走った。 [newpage] [chapter:3年E組!善逸くん!] 「おはよー我妻。 今日はギリギリだったな。 ……すごい汗だけど大丈夫か……?」 「お、おはよう菅谷くん……。 全っ然、大丈夫じゃない……」 やばい。 めっちゃ疲れた。 呼吸の練習はちょくちょくやっているが、全く足りてないことがよく分かった。 呼吸を使えば殺せんせーも殺れるんじゃないかと思っていたけどそれ以前の問題だ。 いやまあ、前より鍛錬とかしてなかったから分かっていたけども。 分かってはいたけど、やっぱり鍛錬とかしたくないし。 こういうときに炭治郎とか伊之助がいればやる気が出るのになぁ。 そんなとこ思ったってどうにもならないけどさ。 「皆さん、おはようございます」 殺せんせーが教室に入ってきた。 いつものように出欠を取りながら全員で一斉射撃をする。 弾が当たらないのはいつものことだ。 今日、いつもと違うのはこれからは烏間さんが体育の授業を担当すること。 それから、停学が明けた赤羽業が帰ってくることだ。 嫌だなぁ……。 俺、あいつのこと少し苦手なんだよね。 以前、不良に絡まれていた俺を助けてもらったことがあるのだが、それ以来何が楽しいのかたまにちょっかいかけてくるのだ。 ……そう思って警戒していたのに、赤羽くんは体育の時間が始まっても登校してこなかった。 *** 「八方向からナイフを正しく振れるように!! どんな体勢でもバランスを崩さない!!」 烏間さん、もとい烏間先生に教えられながら、いっち、にー、さーん、と俺たちは数えながらナイフを振る。 落ち込んでいた杉野くんも前向きに変えることができたあの超生物にも、向き不向きがあったようだ。 今はしくしくと泣きながら砂場で一人遊びをしている。 こんな訓練意味があるのか、暗殺対象もいるのに、と前原くんは疑問をぶつけていた。 それは俺も確かに、と思ってしまった。 決して、訓練をしたくない訳ではない……。 「勉強も暗殺も同じことだ。 基礎は身につけるほど役に立つ」 そして烏間先生は俺にナイフと当ててみろと前原くんと磯貝くんに言った。 二人は対先生ナイフを構えて戸惑いながらも当突っ込んだ。 でも、烏間先生はナイフに当たることもなく二人を捌いてく。 ついには二人の腕を掴んで転ばしてしまった。 素人相手とはいえ、この人も大概完璧超人だ。 「俺に当たらないようでは、マッハ20の奴に当たる確率の低さが分かるだろう」 ……あ〜、めっちゃ刺さって来た。 全集中の呼吸を使ってちょっと走っただけでゼーハー言ってる俺にめっちゃ刺さる。 鍛錬とかしたくないって言ってちゃだめなんですね。 霹靂一閃とかやる前に、走り込んだりしてまともに呼吸を使えるようになれってことですね……。 とりあえず今日から……、は止めておいて、明日から山の中走るかぁ。 やだなぁ……。 そうして授業が終わり、次の小テスト嫌だなと思っていると、なにやら不穏な音が聞こえた。 この音は、赤羽くんの音だ。 「カルマくん……、帰って来たんだ」 渚くんがハッとしたように言った。 「よー、渚くん。 久しぶり」 そう言いながら校庭に降りてくる。 あ、目が合った。 「あれー? 我妻じゃん。 元気にしてたー? またいじめられたりしてないー?」 「赤羽くんの方こそ元気でしたカ」 「なんでそんな他人行儀なの? カルマでいいっていつも言ってんじゃん」 「女の子以外は下の名前を呼ぶ気ないので……」 「あはは、渚くんは下の名前で読んでるのに。 意味不明」 意味不明なのは分かってんだよ! 赤羽くんの不安定な音を聞いてると、こっちも不安定になるから避けてるんだよ! って言えれば楽なんだけどな……。 「わ、あれが例の殺せんせー?」 赤羽くんはそう言って殺せんせーに近づいた。 遅刻したことを怒られながらも、にこやかに話し握手を求めている。 殺せんせーもそれに応じて触手を差し出した。 でも、音で分かったが赤羽くんは何か隠している。 二人が握手をした瞬間、殺せんせーの触手が溶けた。 そしてそのまま、赤羽くんは間髪入れずに袖に隠したナイフで襲いかかる。 そちらは避けられてしまったが、クラスで初めて先生にダメージを与えることができたことにみんな驚いている。 あっれェ、せんせーひょっとしてチョロイひと?」 赤羽くんに挑発までされて、流石に殺せんせーは怒っているようだった。 やっぱりあいつは危ない奴だけど、この暗殺教室では優等生なのだろう。 6時間目の小テスト中、ブニョンブニョンという音が響いていた。 殺せんせーが壁を殴っている音だ。 とてもうるさい。 そんな中、赤羽くんが先生のジェラートを食べながら、また殺せんせーを挑発した。 殺せんせーは、残りのジェラートを先生が舐める、と言って赤羽くんに近づいた時、足の触手が溶けた。 床に対先生BB弾が撒いてあったことに先生は気づかなかったらしい。 そしてそのまま、赤羽くんは銃を撃った。 流石に避けられてしまったけど。 赤羽くんはそんなのも気にせず、色々言って煽ったあと、ジェラートを殺せんせーにぶつけて帰ってしまった。 先生は何も言い返さず、ただ汚れた服を拭いていた。 でも先生が色々考えていることは分かる。 これで赤羽くんは完全に殺せんせーに警戒されただろう。 まあ、俺には関係ないしあっさり終わることを願っておく。 *** 帰り道、駅で赤羽くんと渚くんを見た。 先に帰ったはずなのに……。 渚くん待ってたとか? 盗み聞きをしてみると、渚くんから殺せんせーのことを聞いていることが分かった。 やっぱり待っていたらしい。 「ちゃんとした先生を殺せるなんてさ。 前の先生は自分で勝手に死んじゃったから」 電車の走る音に混じりながら聞こえた赤羽くんの声は、とても不安定で、歪んだ殺意を含んでいた。 [newpage] 次の日の朝、教室に入るとみんな居心地が悪そうにしていた。 原因はすぐ分かった。 教卓に刺されたタコだ。 赤羽くんの仕業だろう。 しかし、それを見た殺せんせーもただでは終わらなかった。 なんとタコとドリル触手と自衛隊から奪ったミサイルで、たこ焼きを作ってしまったのだ。 「先生はね、カルマくん。 手入れをするのです。 錆びて鈍ってしまった暗殺者の刃をーー」 ーー放課後までに、君の心と身体をピカピカに磨いてあげよう。 そう宣言した通り、暗殺を仕掛けた赤羽くんを先生は手入れして行った。 授業中に銃を撃とうとすれば、その前にネイルアートを施してしまった。 また、家庭科の授業では鍋をひっくり返した赤羽くんに、思わず吹いてしまうぐらい可愛いエプロンを着させた。 しかも鍋に入っていたスープは空中でスポイトで吸われて、味の調整もされている。 殺せんせーにこれだけ警戒されては、暗殺なんて到底無理だろう。 でもこんなのでは、赤羽くんを手入れできたとは言えないだろうし、赤羽くんもこれで終わりはしないはずだ。 「わー! 我妻くん料理できるんだね!」 「そんなことないよ〜。 毎晩ご飯作ってるだけだから」 「すごーい!」 そんなことより、倉橋ちゃんに褒められたことがめちゃくちゃ嬉しい。 やっと俺の料理スキルが報われた……。 *** 放課後、俺は山の中を走っていた。 呼吸に耐えられる肺を鍛えるためだ。 すると崖の方に赤羽くんと渚くん、それから殺せんせーがいることが分かった。 あのあとも、赤羽くんと殺せんせーの攻防は続いていたが、また暗殺を仕掛けるのだろうか? そっちの方に行ってみると赤羽くんは、崖にギリギリ生えている木の上で先生と話していた。 「先生ってさ、命をかけて生徒を守ってくれるひと?」 「もちろん。 先生ですから」 「そっか、良かった。 なら、殺せるよ」 ーー確実に。 そう言って赤羽くんが視界から消えた。 「ーー赤羽くんッ!!?」 足を勢いよく踏み込んで走る。 渚くんは突然現れた俺に驚いていた。 崖の上から下を見ると、赤羽くんは無事だった。 蜘蛛の巣のように張られた殺せんせーの触手のおかげだ。 崖の下では触手で身動きが取れなくなった赤羽くんと、先生が話している。 先生はいつでも信じて飛び降りてください、なんて言っていた。 赤羽くんからは歪んだ殺意なんてものは、もうすでに無くなっていた。 「……ねぇ渚くん、なんで我妻がいるの?てかなんで泣いてるの?」 「カルマくんが飛び降りたのを見て、びっくりしちゃったみたいで……」 めちゃくちゃ泣いてる俺の背中を渚くんがさすってくれている。 優しい。 「俺が泣かせたみたいじゃん。 泣き止んでよー」 「やだ! もうお前嫌い! なんでこんな高いとこから飛び降りれちゃうワケ!? 死ぬよ!!?」 「生きてるからいいじゃん?」 「よくない!!」 何で俺がこんなに動揺しているのか、自分でも分からなかった。 渚くんのときは平然としていられたのに。 「えー……。 じゃあ何か奢ってあげるからさ。 もう帰ろうぜ。 渚くんも行こーよ」 「俺はいかない!」 「いいからいいから! あ、じゃあね殺せんせー。 また殺すから。 明日にでも」 赤羽くんは以前とは違う、さわやかな殺意を込めて言った。 殺せんせーの財布をを盗んだらしく、また楽しそうに騒いでいる。 俺はこっそり帰ろうとしていたけど、普通にバレて結局ハンバーガーを奢られてしまった。 関わる気なんて無かったのに、なんだかんだ仲良くなってしまったことに若干の後悔を覚える。 でも、以前とは違い今の赤羽くんは不安定さも減っていて、一緒にいるのが結構楽しかった。 [newpage] [chapter:Sorekara do shitano] 土曜日、俺は兄貴と買い物に出かけていた。 食材を買いに来たのだ。 「あっ、兄貴! あのパンケーキ美味しそうだよ!」 「それがどうした」 「食べに行こうよ! インスタ映えしよ!?」 「意味分かんねぇよ。 お前インスタやってねぇだろ。 あんな女だらけのとこ誰が行くか」 そう言う兄貴を無視して店に引っ張った。 「いちごのパンケーキ美味しそう……。 でもキャラメルのも食べたい……」 窓際の席に案内をされ、メニューを開いて唸っていると、兄貴が呼び鈴を鳴らしてしまった。 「俺がいちごの頼むからお前はキャラメルのやつ頼めばいいだろ。 俺はそんな食わねぇから余ったのやる」 「まじで!? ありがと兄貴!」 優しい世界だ。 兄貴がこんなにも優しくなるなるなんて。 これで、爺ちゃんへの態度も元に戻れば最高なのに。 まさかね。 国家機密がこんな所にいるはずかない。 だから窓の方なんて気にせずに兄貴と駄べる。 「いただきます!」 いちごとキャラメルのパンケーキが運ばれ、いただきますをして、写真を撮ってからナイフとフォークで食べはじめる。 どこかから聞こえる羨ましい、と言う声は無視だ。 兄貴にキャラメルのパンケーキを分けてあげたり、味の感想を言い合ったりしながら時間は穏やかに進んだ。 「家でも作れるかな? レシピ探してみよ」 「作るなら、あまり甘くするなよ。 ……ちょっとトイレ行ってくる」 「いってらー」 兄貴が席を立ちトイレに行く。 同時に店の扉が開いたと思うと、目の前には殺せんせーがいた。 可愛い女性の店員さんは、あれ? って顔をしている。 そんな顔も可愛らしい。 「こんにちは、我妻くん。 無視なんて酷いじゃないですか」 「……店員さん、かわいいなぁー」 「我妻くんッッ!! 先生泣きますよッ!?」 「はぁ……。 先生、国家機密なんですよね? こんな人の多いところにいていいんですか?」 「変装をしているので大丈夫です。 今まで一度もバレたことがありませんよ」 メガネをくいっと持ち上げながら言った先生は、確かにカツラとメガネを付け、服装も変えて変装っぽいことをしている。 でも、巨体すぎるしまず関節がおかしい。 これじゃいつかバレると思うんだけど。 「そんなことより、我妻くん。 実は先生、給料日までお金が無くてですね。 よろしければそのパンケーキをひとくち分けていただけないでしょうか?」 「生徒にたかる先生なんて初めて聞きました。 本当に先生ですか? 不審者として通報してもいいですか?」 「にゅにゃっ!? そ、それだけはご勘弁を! ひとくち、ひとくちでいいんです! たったひとくちパンケーキを分けていただければ!!」 ……面倒くさッ! このままだと兄貴が戻ってきてしまう。 「もう分かったから! ひとくちあげるから早く帰って……!」 「ありがとうございます!!」 そう言うなり、俺が自分で食べようと切り分けていた分を、あっという間に食べてしまった。 「美味しいですねぇ。 さて、今日は普段見られない善逸くんの笑顔も見れましたし、先生は大人しく帰ることにします。 パンケーキありがとうございました」 殺せんせー穏やかに笑いながら言うと、一瞬でいなくなってしまった。 ……俺ってそんなに学校とで態度が違うのだろうか? 確かにはしゃぎすぎた気がする。 ……何か急に恥ずかしくなってきたぞ!? 「おい、まだ食ってんのかよ。 早めに帰ってこいって連絡来てるだろ。 さっさと帰るぞ。 俺のも食っていいから」 「う、うん。 ありがとう……」 兄貴がトイレから帰ってきてしまった。 兄貴は急に大人しくなった俺を訝しんでいるのが顔を見なくても分かる。 熱くなって赤くなっているであろう顔を誤魔化すように、俺は味が分からなくなってしまったパンケーキを掻き込んだ。 [newpage] [chapter:あとがき] ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!! そして、前回キャプションで宣言していた通り投稿できず申し訳ございませんでした! 今回のことで追い込まれなきゃ書き始められなくて、期限が過ぎなければ書き続けられないことが分かりました……。 これからは2週間に1回は更新できたらいい方かなと思います。 あと烏間先生の漢字間違っていました。 本当にすみません……。 誤字脱字酷いので直していきたいです。 ちなみに、章タイトルの「Sorekara do shitano」はあそびあそばせが元ネタです。 皆様ぜひ見ましょう。 それでは! 今後とも、どうかよろしくお願いいたします!.

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暗殺教室の世界に転生した善逸くんが、なんやかんや頑張る話です!今回はカルマくんのお話です!兄弟子も結構出ます! 捏造、ネタバレ過多なのでご注意ください! 誤字脱字あったらごめんなさい。 直します。 前作: 次の話: 前作までの閲覧、ブクマ、コメント、フォロー、タグ付けまで本当にありがとうございました! めっちゃびっくりしてしばらく震えて吐きそうになってました。 まさかあんなに読んでいただけるとは思ってもみなかったので、感謝しかないです…! 期待に添えられたどうかは分かりませんが、読んでいただけたらとても嬉しいです。 ごめんなさい…。 ・転生パロで、記憶があるのは善逸のみです。 ・今のところ鬼滅側からは善逸と兄弟子と爺ちゃんしか出ません。 ・暗殺教室は原作6巻までとアニメと、他の二次創作などの知識しかありません。 ・鬼滅の刃は単行本未収録のネタバレがあります。 ・無惨を倒した後、捏造しまくってます。 ・兄弟子と善逸くんは仲が良いです。 上記のことを了承していただけた方のみ、先にお進みください。 [newpage] ーージリリリリリリリリ!!!!! 目覚ましの鳴る音が聞こえる。 でも、俺はまだまだ寝れる気がするんだ。 だから俺は目覚ましを止めて、もう一度寝る体勢に入ろうとしたーー 「ーーおいカスッ!! 今日の朝飯お前が当番だろうが!!」 「いたっ! 痛いって! なにも蹴らなくていいじゃん!」 バァン! と勢いよくドアを開いて部屋に入ってきた兄貴は、布団を容赦なく剥ぎ取り、怒鳴りながら蹴ってくる。 堪らず起きて顔を上げてしまうと、そこには道端に広がっているゴミを見るような蔑みの目があった。 「な、なんでそんなガチギレしてるの?」 「テメェがいつまで経っても一人で起きねぇからだろうが! お前を起こさないと俺もジジイになんか言われんだよ!」 「えー……。 もー分かったよ。 起きればいいんでしょー起きればー」 「なんでそんな偉そうなんだよ……」 兄貴はそう吐き捨て、舌打ちをしたあと部屋を出ていった。 桃の木の手入れをしに行ったのだろう。 普段朝は、俺は庭に生えている桃の木の手入れを、兄貴は朝食と、あとお弁当を作るのが仕事だ。 でも爺ちゃんが獪岳ばかりがいつも早起きしなきゃいけないのは不公平だと言って、週に2回は俺が朝食と弁当を作ることになっている。 ちなみに夕食はほとんど俺が作っているから抗議したが、意味無かった。 桃の木は前世のときよりも生えてはいないし、早朝から散歩に出た爺ちゃんも帰ってきたら手伝ってくれる。 だから朝は比較的のんびりできるはずなのだが、兄貴はのんびりなんてしなかった。 桃の木の手入れを素早く終わらせ、朝から勉強したり、走りに出たりしている。 前世から分かっていたが、やはり努力家だ。 高校でもモテているらしいので大変妬ましい。 顔を洗って台所に行くと、兄貴が庭で桃の木の摘蕾をしたり、害虫がいないか、病気になっていないかなどを確かめていた。 タオルを持ってるし、今日はそのまま走りに行くのだろう。 そんなことを思いながら、俺はお弁当作りに勤しむ。 朝食は余ったお弁当のおかずや、昨日の夕食の残りにする代わりに、お弁当は凝ったものを作る。 最近は家事ができる男の人がモテるらしいからね。 クラスでもさり気なく見せびらかして女子に、我妻くんのお弁当すごーい! 一口ちょーだい! みたいなのを狙っているが、誰一人俺が作った弁当に触れてくれないから悲しい。 女子力ある弁当なのに。 何でなんだろ? やっぱり顔なのか……? そんなこんなで、ちょっとキャラ弁っぽい可愛い弁当ふたつと、普通に詰めた弁当がひとつできて満足していると、爺ちゃんと兄貴が家に帰ってきた。 「お前またそれかよ……」 「別に俺の勝手でしょ! いいじゃん、兄貴のは普通の弁当だし」 兄貴が俺の弁当を見るなりいちゃもんをつけてくる。 以前、兄貴の弁当をこっそりピカ〇ュウにしてやったらしこたま殴られた。 本気で怒ってたから、それ以来兄貴の弁当は普通に詰めてやってるのに……。 「善逸、今日のも気合いが入っておるな。 良く出来ている」 「えへへ、ありがと爺ちゃん」 流石爺ちゃんだ。 兄貴と違ってちゃんと褒めてくれる。 朝食の配膳も終わり、みんなでいただきますをして食べる。 「善逸、学校は楽しいか?」 「うん、結構楽しいよー。 なんで山の上まで行かなきゃならんのとは思うけど、クラスのみんな優しいし」 「そうか……」 それならいい、と言う爺ちゃんから俺を心配する音が聞こえる。 爺ちゃんは成績のことはあまり気にしてないけど、E組の環境の悪さを心配しているのだろう。 それに、今まで友達らしい友達もできなかったしね。 今も別にいる訳じゃないけどさ。 爺ちゃんや兄貴に話しかけながら朝食を食べ終わり、兄貴と学校に行く準備をする。 兄貴は椚ヶ丘中学のA組から内部進学していて、椚ヶ丘高校の2年生なのだ。 だから途中まで一緒に登校できる。 「じゃあ爺ちゃん、今日は炊き込みご飯だから楽しみにしててね! いってきまーす!」 「……いってきます」 兄貴はちょっと遅れた反抗期が来ているが、ちゃんと挨拶をしている。 そんなところを微笑ましく見守りながら一緒に学校へ向かう。 くだらないことを言い合ったりして電車に乗り、学校まで歩く。 「じゃあね、兄貴。 今日野球部の助っ人するんでしょ? 頑張ってね」 「ああ、米多めに炊いとけよ」 「はいはい」 手を振りながら兄貴と別れてのんびり歩く。 やっぱり兄貴はすごい。 成績優秀、運動神経も抜群で、色んな部活に助っ人として出ている。 「ってやばッ! もう時間ないじゃん!」 ちょっとのんびりしすぎた。 走っても間に合うか微妙だし、たまには呼吸もちゃんと使おうかな……。 今世じゃ体ができていないから霹靂一閃もまだ劣化したものしか使えないが、全集中の呼吸自体は使える。 それもかなり疲れるから使いたくないけど、殺せんせーも殺すためにもそろそろちゃんと練習した方がいいかもしれない。 そう思いながら、俺は深呼吸をし、全身に酸素を巡らせて3年E組の校舎へと走った。 [newpage] [chapter:3年E組!善逸くん!] 「おはよー我妻。 今日はギリギリだったな。 ……すごい汗だけど大丈夫か……?」 「お、おはよう菅谷くん……。 全っ然、大丈夫じゃない……」 やばい。 めっちゃ疲れた。 呼吸の練習はちょくちょくやっているが、全く足りてないことがよく分かった。 呼吸を使えば殺せんせーも殺れるんじゃないかと思っていたけどそれ以前の問題だ。 いやまあ、前より鍛錬とかしてなかったから分かっていたけども。 分かってはいたけど、やっぱり鍛錬とかしたくないし。 こういうときに炭治郎とか伊之助がいればやる気が出るのになぁ。 そんなとこ思ったってどうにもならないけどさ。 「皆さん、おはようございます」 殺せんせーが教室に入ってきた。 いつものように出欠を取りながら全員で一斉射撃をする。 弾が当たらないのはいつものことだ。 今日、いつもと違うのはこれからは烏間さんが体育の授業を担当すること。 それから、停学が明けた赤羽業が帰ってくることだ。 嫌だなぁ……。 俺、あいつのこと少し苦手なんだよね。 以前、不良に絡まれていた俺を助けてもらったことがあるのだが、それ以来何が楽しいのかたまにちょっかいかけてくるのだ。 ……そう思って警戒していたのに、赤羽くんは体育の時間が始まっても登校してこなかった。 *** 「八方向からナイフを正しく振れるように!! どんな体勢でもバランスを崩さない!!」 烏間さん、もとい烏間先生に教えられながら、いっち、にー、さーん、と俺たちは数えながらナイフを振る。 落ち込んでいた杉野くんも前向きに変えることができたあの超生物にも、向き不向きがあったようだ。 今はしくしくと泣きながら砂場で一人遊びをしている。 こんな訓練意味があるのか、暗殺対象もいるのに、と前原くんは疑問をぶつけていた。 それは俺も確かに、と思ってしまった。 決して、訓練をしたくない訳ではない……。 「勉強も暗殺も同じことだ。 基礎は身につけるほど役に立つ」 そして烏間先生は俺にナイフと当ててみろと前原くんと磯貝くんに言った。 二人は対先生ナイフを構えて戸惑いながらも当突っ込んだ。 でも、烏間先生はナイフに当たることもなく二人を捌いてく。 ついには二人の腕を掴んで転ばしてしまった。 素人相手とはいえ、この人も大概完璧超人だ。 「俺に当たらないようでは、マッハ20の奴に当たる確率の低さが分かるだろう」 ……あ〜、めっちゃ刺さって来た。 全集中の呼吸を使ってちょっと走っただけでゼーハー言ってる俺にめっちゃ刺さる。 鍛錬とかしたくないって言ってちゃだめなんですね。 霹靂一閃とかやる前に、走り込んだりしてまともに呼吸を使えるようになれってことですね……。 とりあえず今日から……、は止めておいて、明日から山の中走るかぁ。 やだなぁ……。 そうして授業が終わり、次の小テスト嫌だなと思っていると、なにやら不穏な音が聞こえた。 この音は、赤羽くんの音だ。 「カルマくん……、帰って来たんだ」 渚くんがハッとしたように言った。 「よー、渚くん。 久しぶり」 そう言いながら校庭に降りてくる。 あ、目が合った。 「あれー? 我妻じゃん。 元気にしてたー? またいじめられたりしてないー?」 「赤羽くんの方こそ元気でしたカ」 「なんでそんな他人行儀なの? カルマでいいっていつも言ってんじゃん」 「女の子以外は下の名前を呼ぶ気ないので……」 「あはは、渚くんは下の名前で読んでるのに。 意味不明」 意味不明なのは分かってんだよ! 赤羽くんの不安定な音を聞いてると、こっちも不安定になるから避けてるんだよ! って言えれば楽なんだけどな……。 「わ、あれが例の殺せんせー?」 赤羽くんはそう言って殺せんせーに近づいた。 遅刻したことを怒られながらも、にこやかに話し握手を求めている。 殺せんせーもそれに応じて触手を差し出した。 でも、音で分かったが赤羽くんは何か隠している。 二人が握手をした瞬間、殺せんせーの触手が溶けた。 そしてそのまま、赤羽くんは間髪入れずに袖に隠したナイフで襲いかかる。 そちらは避けられてしまったが、クラスで初めて先生にダメージを与えることができたことにみんな驚いている。 あっれェ、せんせーひょっとしてチョロイひと?」 赤羽くんに挑発までされて、流石に殺せんせーは怒っているようだった。 やっぱりあいつは危ない奴だけど、この暗殺教室では優等生なのだろう。 6時間目の小テスト中、ブニョンブニョンという音が響いていた。 殺せんせーが壁を殴っている音だ。 とてもうるさい。 そんな中、赤羽くんが先生のジェラートを食べながら、また殺せんせーを挑発した。 殺せんせーは、残りのジェラートを先生が舐める、と言って赤羽くんに近づいた時、足の触手が溶けた。 床に対先生BB弾が撒いてあったことに先生は気づかなかったらしい。 そしてそのまま、赤羽くんは銃を撃った。 流石に避けられてしまったけど。 赤羽くんはそんなのも気にせず、色々言って煽ったあと、ジェラートを殺せんせーにぶつけて帰ってしまった。 先生は何も言い返さず、ただ汚れた服を拭いていた。 でも先生が色々考えていることは分かる。 これで赤羽くんは完全に殺せんせーに警戒されただろう。 まあ、俺には関係ないしあっさり終わることを願っておく。 *** 帰り道、駅で赤羽くんと渚くんを見た。 先に帰ったはずなのに……。 渚くん待ってたとか? 盗み聞きをしてみると、渚くんから殺せんせーのことを聞いていることが分かった。 やっぱり待っていたらしい。 「ちゃんとした先生を殺せるなんてさ。 前の先生は自分で勝手に死んじゃったから」 電車の走る音に混じりながら聞こえた赤羽くんの声は、とても不安定で、歪んだ殺意を含んでいた。 [newpage] 次の日の朝、教室に入るとみんな居心地が悪そうにしていた。 原因はすぐ分かった。 教卓に刺されたタコだ。 赤羽くんの仕業だろう。 しかし、それを見た殺せんせーもただでは終わらなかった。 なんとタコとドリル触手と自衛隊から奪ったミサイルで、たこ焼きを作ってしまったのだ。 「先生はね、カルマくん。 手入れをするのです。 錆びて鈍ってしまった暗殺者の刃をーー」 ーー放課後までに、君の心と身体をピカピカに磨いてあげよう。 そう宣言した通り、暗殺を仕掛けた赤羽くんを先生は手入れして行った。 授業中に銃を撃とうとすれば、その前にネイルアートを施してしまった。 また、家庭科の授業では鍋をひっくり返した赤羽くんに、思わず吹いてしまうぐらい可愛いエプロンを着させた。 しかも鍋に入っていたスープは空中でスポイトで吸われて、味の調整もされている。 殺せんせーにこれだけ警戒されては、暗殺なんて到底無理だろう。 でもこんなのでは、赤羽くんを手入れできたとは言えないだろうし、赤羽くんもこれで終わりはしないはずだ。 「わー! 我妻くん料理できるんだね!」 「そんなことないよ〜。 毎晩ご飯作ってるだけだから」 「すごーい!」 そんなことより、倉橋ちゃんに褒められたことがめちゃくちゃ嬉しい。 やっと俺の料理スキルが報われた……。 *** 放課後、俺は山の中を走っていた。 呼吸に耐えられる肺を鍛えるためだ。 すると崖の方に赤羽くんと渚くん、それから殺せんせーがいることが分かった。 あのあとも、赤羽くんと殺せんせーの攻防は続いていたが、また暗殺を仕掛けるのだろうか? そっちの方に行ってみると赤羽くんは、崖にギリギリ生えている木の上で先生と話していた。 「先生ってさ、命をかけて生徒を守ってくれるひと?」 「もちろん。 先生ですから」 「そっか、良かった。 なら、殺せるよ」 ーー確実に。 そう言って赤羽くんが視界から消えた。 「ーー赤羽くんッ!!?」 足を勢いよく踏み込んで走る。 渚くんは突然現れた俺に驚いていた。 崖の上から下を見ると、赤羽くんは無事だった。 蜘蛛の巣のように張られた殺せんせーの触手のおかげだ。 崖の下では触手で身動きが取れなくなった赤羽くんと、先生が話している。 先生はいつでも信じて飛び降りてください、なんて言っていた。 赤羽くんからは歪んだ殺意なんてものは、もうすでに無くなっていた。 「……ねぇ渚くん、なんで我妻がいるの?てかなんで泣いてるの?」 「カルマくんが飛び降りたのを見て、びっくりしちゃったみたいで……」 めちゃくちゃ泣いてる俺の背中を渚くんがさすってくれている。 優しい。 「俺が泣かせたみたいじゃん。 泣き止んでよー」 「やだ! もうお前嫌い! なんでこんな高いとこから飛び降りれちゃうワケ!? 死ぬよ!!?」 「生きてるからいいじゃん?」 「よくない!!」 何で俺がこんなに動揺しているのか、自分でも分からなかった。 渚くんのときは平然としていられたのに。 「えー……。 じゃあ何か奢ってあげるからさ。 もう帰ろうぜ。 渚くんも行こーよ」 「俺はいかない!」 「いいからいいから! あ、じゃあね殺せんせー。 また殺すから。 明日にでも」 赤羽くんは以前とは違う、さわやかな殺意を込めて言った。 殺せんせーの財布をを盗んだらしく、また楽しそうに騒いでいる。 俺はこっそり帰ろうとしていたけど、普通にバレて結局ハンバーガーを奢られてしまった。 関わる気なんて無かったのに、なんだかんだ仲良くなってしまったことに若干の後悔を覚える。 でも、以前とは違い今の赤羽くんは不安定さも減っていて、一緒にいるのが結構楽しかった。 [newpage] [chapter:Sorekara do shitano] 土曜日、俺は兄貴と買い物に出かけていた。 食材を買いに来たのだ。 「あっ、兄貴! あのパンケーキ美味しそうだよ!」 「それがどうした」 「食べに行こうよ! インスタ映えしよ!?」 「意味分かんねぇよ。 お前インスタやってねぇだろ。 あんな女だらけのとこ誰が行くか」 そう言う兄貴を無視して店に引っ張った。 「いちごのパンケーキ美味しそう……。 でもキャラメルのも食べたい……」 窓際の席に案内をされ、メニューを開いて唸っていると、兄貴が呼び鈴を鳴らしてしまった。 「俺がいちごの頼むからお前はキャラメルのやつ頼めばいいだろ。 俺はそんな食わねぇから余ったのやる」 「まじで!? ありがと兄貴!」 優しい世界だ。 兄貴がこんなにも優しくなるなるなんて。 これで、爺ちゃんへの態度も元に戻れば最高なのに。 まさかね。 国家機密がこんな所にいるはずかない。 だから窓の方なんて気にせずに兄貴と駄べる。 「いただきます!」 いちごとキャラメルのパンケーキが運ばれ、いただきますをして、写真を撮ってからナイフとフォークで食べはじめる。 どこかから聞こえる羨ましい、と言う声は無視だ。 兄貴にキャラメルのパンケーキを分けてあげたり、味の感想を言い合ったりしながら時間は穏やかに進んだ。 「家でも作れるかな? レシピ探してみよ」 「作るなら、あまり甘くするなよ。 ……ちょっとトイレ行ってくる」 「いってらー」 兄貴が席を立ちトイレに行く。 同時に店の扉が開いたと思うと、目の前には殺せんせーがいた。 可愛い女性の店員さんは、あれ? って顔をしている。 そんな顔も可愛らしい。 「こんにちは、我妻くん。 無視なんて酷いじゃないですか」 「……店員さん、かわいいなぁー」 「我妻くんッッ!! 先生泣きますよッ!?」 「はぁ……。 先生、国家機密なんですよね? こんな人の多いところにいていいんですか?」 「変装をしているので大丈夫です。 今まで一度もバレたことがありませんよ」 メガネをくいっと持ち上げながら言った先生は、確かにカツラとメガネを付け、服装も変えて変装っぽいことをしている。 でも、巨体すぎるしまず関節がおかしい。 これじゃいつかバレると思うんだけど。 「そんなことより、我妻くん。 実は先生、給料日までお金が無くてですね。 よろしければそのパンケーキをひとくち分けていただけないでしょうか?」 「生徒にたかる先生なんて初めて聞きました。 本当に先生ですか? 不審者として通報してもいいですか?」 「にゅにゃっ!? そ、それだけはご勘弁を! ひとくち、ひとくちでいいんです! たったひとくちパンケーキを分けていただければ!!」 ……面倒くさッ! このままだと兄貴が戻ってきてしまう。 「もう分かったから! ひとくちあげるから早く帰って……!」 「ありがとうございます!!」 そう言うなり、俺が自分で食べようと切り分けていた分を、あっという間に食べてしまった。 「美味しいですねぇ。 さて、今日は普段見られない善逸くんの笑顔も見れましたし、先生は大人しく帰ることにします。 パンケーキありがとうございました」 殺せんせー穏やかに笑いながら言うと、一瞬でいなくなってしまった。 ……俺ってそんなに学校とで態度が違うのだろうか? 確かにはしゃぎすぎた気がする。 ……何か急に恥ずかしくなってきたぞ!? 「おい、まだ食ってんのかよ。 早めに帰ってこいって連絡来てるだろ。 さっさと帰るぞ。 俺のも食っていいから」 「う、うん。 ありがとう……」 兄貴がトイレから帰ってきてしまった。 兄貴は急に大人しくなった俺を訝しんでいるのが顔を見なくても分かる。 熱くなって赤くなっているであろう顔を誤魔化すように、俺は味が分からなくなってしまったパンケーキを掻き込んだ。 [newpage] [chapter:あとがき] ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!! そして、前回キャプションで宣言していた通り投稿できず申し訳ございませんでした! 今回のことで追い込まれなきゃ書き始められなくて、期限が過ぎなければ書き続けられないことが分かりました……。 これからは2週間に1回は更新できたらいい方かなと思います。 あと烏間先生の漢字間違っていました。 本当にすみません……。 誤字脱字酷いので直していきたいです。 ちなみに、章タイトルの「Sorekara do shitano」はあそびあそばせが元ネタです。 皆様ぜひ見ましょう。 それでは! 今後とも、どうかよろしくお願いいたします!.

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【あつまれどうぶつの森】鬼滅の刃のマイデザイン竈門炭治郎(たんじろう)のID・QRまとめました!

善 次 くん お 借り し ます

恐怖を超える・その2 現代社会が、もう欧米のロジックでは解決がつかない問題を抱えた世界にあることは誰の目にも明らかだと思います。 既存のシステムの中には、既に答えはなく、いま私たちは世界中の叡智を集めて、新しい社会を作り出さなくてはいけないところにいると思います。 この現代社会は、どこから始まったかと言えば、私は1989年からだろうと考えています。 この年にベルリンの壁が崩壊して、旧ソ連につながる東側陣営が崩壊しました。 多くの人が平和な時代がくると期待していましたが、やってきたものは世界の混乱でした。 それ以前は、西側の自由主義陣営と東側の共産主義陣営で、「善」と「悪」の形は、次のようにありました。 つまり自由主義陣営では、自分たちが「善」で、共産主義陣営は「悪」でした。 共産主義陣営でも自分たちは「善」で、自由主義陣営こそが「悪」でした。 そのようにして世界の「善」と「悪」が存在していたのです。 そして旧ソ連を中心とする共産主義陣営が崩壊して、自由主義陣営の勝利のようにして、東西両陣営の対立は決着しましたが、でも今度は2001年9月11日、米国で旅客機4機が乗っ取られて、そのうちの2機が突っ込んだニューヨークの世界貿易センタービル2棟が崩壊します。 この映像が世界中にライブで流れ、大変な衝撃を与えました。 3機目の旅客機は米国防総省に激突、4機目は東部ペンシルベニア州で墜落しました。 このテロで日本人24人を含む約3千人が死亡。 米国はこのテロを受けて、アフガニスタン戦争、イラク戦争へと進んでいくのですが、現在のイスラム国の誕生を見ても明らかなように、米国が「善」なる大義で、「悪」なるものを一時的に打ち破っても、現実には世界中でイスラム教徒の若者を新たなテロへと向かわせて、テロが拡大、拡散していくということになってしまっています。 戦いがなくなる道にまったく繋がっていないのです。 犠牲者を生み出す「テロ」は、確かに「悪」ですが、でも「悪」を部分的に抹殺しても、「悪」は消滅せず、むしろ「悪」なるテロは拡大・拡散していくだけです。 しかも「聖戦」という考え方を持つ人たちからしたら、テロは「善」なのです。 「善」と「悪」が移動し、拡大・拡散し、瞬時に入れ替わるような世界を我々は生きているのです。 それだからと言って、東西両陣営が対峙していた1989年以前に戻るというわけにもいかないのです。 確実に、時代は次へと進んでしまったのですから。 どのようにあるべきか。 それに対する村上春樹の考えが『1Q84』のリーダーと青豆の対決場面に描かれています。 「この世には絶対的な善もなければ、絶対的な悪もない」「善悪とは静止し固定されたものではなく、常に場所や立場を入れ替え続けるものだ。 ひとつの善は次の瞬間には悪に転換するかもしれない。 逆もある。 ドストエフスキーが『カラマーゾフの兄弟』の中で描いたのもそのような世界の有様だ。 重要なのは、動き回る善と悪のバランスを維持しておくことだ。 どちらかに傾き過ぎると、現実のモラルを維持することがむずかしくなる。 そう、均衡そのものが善なのだ。 わたしがバランスをとるために死んでいかなくてはならないというのも、その意味合いにおいてだ」 このリーダーの言葉は、1989年以降の世界の変化に対する村上春樹の考えを述べたものでしょう。 いま「善」は、いかにあるべきかを記しているのだと思います。 大切なのは「善」と「悪」の状況、状態を説明しているのではないということです。 この言葉がある章の名が「均衡そのものが善なのだ」となっているように、1989年以降の世界にとって、「善」はいかにあるべきかを考えているのです。 このリーダーの言葉は、混乱する時代の中で、新しい世界はどのように作り上げられるべきか、その新しい世界で「善」はいかにあるべきかということの村上春樹の思考を表しているのです。 さて、では、このように「動き回る善と悪とのバランスを維持」して「均衡そのものが善」の状態に、我々が進むには、どのような困難があるのでしょうか。 前置きが長く、話のスケールが大きすぎて、小説についてのコラムのサイズに合わないかもしれませんが、今回の「村上春樹を読む」のテーマ「恐怖を超える・その2」という点から、そのことを少しだけ考えてみたいと思います。 これまであったシステムが無効となり、いま世界中の人たちが、みないいものを持ち寄って、新しい秩序を作り上げるとしたら、それは少し考えてみれば明らかですが、世界が新しく再編成されるには、皆がいまいる場所から動いていかなくてはならないのです。 その過程では、自分たちと異なる多くの者に出会います。 それは闇の中を進むようなものです。 闇の中で自分と異なる多くの者に出会うことは、恐怖の体験でもあるでしょう。 ですから、その恐怖の対象を抹殺しようとする人たちもいるかもしれません。 でも、そのものの姿をよく見ないうちに、見知らぬものに抱く恐怖から、相手を抹殺していたら、新しい世界はやってきません。 我々は恐怖を超えていかなくてはならないのです。 簡単には解決策の見えない、その闇の中を抜け出して、新しい一つのまとまりと方向性を共有するには、恐怖を超えて、自分自身の意識を再編成しなくてはならないのです。 相手を殲滅して、正しい自分の世界を拡げていく…という道では、世界は新しく再編成されないのです。 それぞれの自分自身が再編成されることによって、世界は新しく生まれ変わり、新しい秩序を持つのだと思います。 この「かえるくん、東京を救う」は最後の場面が難しいですね。 でも、ここに重要な村上春樹の考えが記されていると思います。 「かえるくん、東京を救う」は、「かえるくん」が信用金庫の新宿支店に勤務する「片桐」の力を借りて、3日後に起きる東京直下型の地震を未然に防ぐ物語です。 地震の原因は、地下50メートルにすむ巨大な「みみずくん」の心と身体の中で「長いあいだに吸引蓄積された様々な憎しみ」の力です。 そのみみずくんとの闘いぶりを、かえるくんは片桐に、次のように語ります。 「みみずくんはぼくの身体に巻き付き、ねばねばした恐怖の液をかけました。 ぼくはみみずくんをずたずたにしてやりました。 でもずたずたにされてもみみずくんは死にません。 彼はばらばらに分解するだけです」と。 ついに、かえるくんは恐怖を持たない片桐の助けを借りて、その地震を未然に防ぎます。 でもみみずくんを抹殺して防いだのではありません。 「ぼくはみみずくんを打ち破ることはできませんでした」「地震を阻止することはどうにかできましたが、みみずくんとの闘いでぼくにできたのは、なんとか引き分けに持ち込むことだけでした」とかえるくんは片桐に語っています。 かえるくんは、みみずくんとの闘いをなんとか引き分けに持ち込むことで、地震を未然に防いだのです。 そして、この小説の最も難しいところですが、地震の原因であるみみずくんのほうではなく、地震を未然に防いだかえるくんの体のほうが、醜い瘤だらけとなり、その瘤がはじけて、皮膚が飛び散り、悪臭だけの存在となっていきます。 そこからさらに蛆虫のようなものがうじゃうじゃと出てきて…というふうに解体していくのです。 これはどんなことを村上春樹が書いているのでしょうか。 それを考えるうえで、大切なことが作中に記されています。 かえるくんは、みみずくんとの闘いの後で、片桐にこんなことを語るです。 「ぼくは純粋なかえるくんですが、それと同時にぼくは非かえるくんの世界を表象するものでもあるんです」「目に見えるものが本当のものとはかぎりません。 ぼくの敵はぼく自身の中のぼくでもあります。 ぼく自身の中には非ぼくがいます」 つまり「かえるくん」の中には、地震を未然に防ぐ「かえるくん」だけではなく、それと違う「非かえるくん」もいるのです。 その「非かえるくん」は、みみずくんと同じように「長いあいだに吸引蓄積された様々な憎しみ」の力を有しているのかもしれません。 ですから、かえるくんは相手のみみずくんを打ち破り、抹殺することによって、闘いに勝つのではなく、自分の中の地震を起こすような何か、大きな災いを起こすようなものを打ち破らなくはならないのです。 何かを阻止したり、世界を新しく再編成していくには、自分の中にある、それにかかわる部分を再編成しなくては、ほんとうに新しい世界は生まれないのです。 相手を殲滅して、打ち破っても、こちら側の世界だけになってしまったら、それでは相手と同じものが別の形で出現したことに変わりないのです。 そのように、村上春樹が考えていることを反映した「かえるくん」の「ぼく」と「非ぼく」なる存在、その再編成に向けた自己解体なのだと思います。 青豆は「怯える?」と問い返します。 するとリーダーは「君は怯えている。 かつてヴァチカンの人々が地動説を受け入れることを怯えたのと同じように。 彼らにしたところで、天動説の無謬性を信じていたわけではない。 地動説を受け入れることによってもたらされるであろう新しい状況に怯えただけだ。 それにあわせて自らの意識を再編成しなくてはならないことに怯えただけだ」と言うのです。 ここにも「かえるくん、東京を救う」と同じように、新しい状況に対応する自己解体と自分の意識の再編成の必要性が表明されています。 しかし、人はなかなか、自己を解体して、自分の意識を再編成する方向に、闘いの進路を決めることができないのです。 怯えて、その恐怖を超えていくことができないのです。 つい相手を打ち破って、自分の正しさを確認しようとしてしまいます。 でも「ぼく」の中には「非ぼく」がいるのです。 自分の中の、その「非ぼく」を超えていくには、自己を解体して、再編成する道でしか、新しい世界は生まれないのですが、なかなか自分の意識を再編成するという、その恐怖を超えていくことができないのです。 「真の恐怖とは人間が自らの想像力に対して抱く恐怖のことです」。 こんなジョセフ・コンラッドの言葉が「かえるくん、東京を救う」の中に記されていることを前回も紹介しましたが、再編成することへの、その「自らの想像力に対して抱く恐怖」に負けてしまう人が多いのです。 かえるくんはみみずくんとの闘いについて片桐に述べるとき、まずこのように話しています。 「すべての激しい闘いは想像力の中でおこなわれました。 それこそがぼくらの戦場です。 ぼくらはそこで勝ち、そこで破れます」 この言葉が、最後のかえるくんの自己解体を予告しています。 「勝ち」「敗れます」ではなく、「勝ち」「破れます」と村上春樹は書いているのですから。 「でもずたずたにされてもみみずくんは死にません。 彼はばらばらに分解するだけです」というみみずくんに対する、かえるくんのコメントも再編成についての言葉のように、私には響いてくるのです。 『神の子どもたちはみな踊る』の表題作の主人公・善也は、ダンスの踊り方が蛙に似ていたので、大学時代につきあっていた女の子から「かえるくん」と呼ばれていました。 その善也が「神の子どもたちはみな踊る」の最後に、ピッチャーズ・マウンドの上で踊ります。 その時、善也は「自分の身体の中にある自然な律動が、世界の基本的な律動と連帯し呼応しているのだというたしかな実感があった」と思います。 そのことは、前回も紹介しました。 しかし長い時間を踊り続けている善也は、自分が踏みしめている大地の底に存在するもののことを、ふと思うのです。 「そこには深い闇の不吉な底鳴りがあり、欲望を運ぶ人知れぬ暗流があり、ぬるぬるとした虫たちの蠢(うごめ)きがあり、都市を瓦礫の山に変えてしまう地震の巣がある。 それらもまた地球の律動を作り出しているものの一員なのだ」と考えるのです。 ここにも、自然の律動の中にある「ぼく」だけではない、不吉な底鳴りがある「非ぼく」の世界が記されています。 その時、善也は、森の中にいて、そこには見たこともないような恐ろしげな獣も混じっているのですが、「でも恐怖はなかった。 だってそれは僕自身の中にある森なのだ。 僕自身をかたちづくっている森なのだ。 僕自身が抱えている獣なのだ」と、村上春樹は記していました。 これらの言葉の中に、今、起きている世界の大きな混乱を超えて、新しい価値を創造していくという、村上春樹の志のようなものが秘められていることを、私は読むたびに感じるのです。 (共同通信編集委員・小山鉄郎) (共同通信) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小山鉄郎のプロフィル こやま・てつろう 1949年、群馬県生まれ。 共同通信社編集委員兼論説委員。 村上春樹氏の文学や白川静氏の漢字学の紹介で、文芸記者として初めて日本記者クラブ賞を受賞(2013年度)。 「風の歌 村上春樹の物語世界」や「村上春樹の動物誌」を全国の新聞社に配信連載。 白川静氏の漢字学をやさしく解説した『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』『白川静さんに学ぶ 漢字は怖い』(ともに共同通信社、文庫版は新潮文庫)や『白川静文字学入門 なるほど漢字物語』(共同通信社)もある。

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